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骨粗鬆症

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、加齢や更年期以降のホルモン低下、カルシウム不足などにより骨の量が減少し、骨の中がスカスカとなってもろくなり骨折リスクが高まる病気です。

骨の強さを示す骨密度は、20〜30歳頃をピークに徐々に減少します。骨密度が減少して骨がスカスカになると、背骨が体の重みでつぶれたり(圧迫骨折)、背中が曲がったり、通常では折れないようなちょっとした転倒や衝撃で骨折しやすくなります。

特に胸椎・腰椎の骨折、股関節の骨折(大腿骨頚部骨折だいたいこつけいぶこっせつ大腿骨転子部骨折だいたいこつてんしぶこっせつ)は寝たきりの原因となりやすいため、骨粗鬆症は早期発見・早期治療による予防が非常に重要です。

大腿骨頚部骨折・転子部骨折を発症すると、1年以内に5人に1人、5年以内に半分の方が亡くなるという報告が出ています。

骨粗鬆症は、国内に推定約1,600万人の患者さんがいるとされており、女性は男性の約3倍と多く、特に閉経後の女性が注意すべき病気の一つです。

当院ではDEXA法で腰椎と大腿骨の骨密度の測定が可能です。

また痛みの原因が骨粗鬆症によるものか、別の疾患によるものかを詳しく検査します。

当院ではガイドラインで推奨されている検査方法が可能で、あらゆる総合病院や大学病院でも用いられている検査方法です。

骨粗鬆症の症状

骨粗鬆症の代表的な症状としては以下の症状がございます。

  • いつの間にか身長が縮んだ方
  • 転んだ記憶はないが背中や腰が痛い方
  • 腰や背中が曲がってきた方

ただし、まったく痛みなどの自覚症状が現れない方もいて検査で偶然見つかるということもまれではありません。
骨粗鬆症は”寝たきりの原因となる骨折を予防する”という大きな目標があります。
仮に症状がなくても積極的に検査をしておくことが大切です。

骨粗鬆症の
リスクファクター

骨粗鬆症のなりやすさは、体質や生活習慣によって個人差があります。

次のいずれかに当てはまる場合には骨粗鬆症になりやすいとされていますので注意が必要です。

  • 50歳以上の方
  • 閉経後の女性
  • やせ型
  • ステロイド剤をしていた事がある、使用中の方
  • 糖尿病や高血圧などの生活習慣病、慢性腎障害、ホルモン代謝性疾患などの疾患をお持ちの方
  • 喫煙
  • アルコールをよく摂取される方
  • 栄養のかたよりがある方
  • 運動不足
  • ご家族で骨粗鬆症の診断・治療歴がある方

骨粗鬆症の病態と原因

人間の身体はあらゆる新陳代謝が行われています。代謝といえば筋肉、髪や爪が有名でしょうか。

実は骨においても新陳代謝が行われています。これを「骨代謝(リモデリング)」といいます。

古い骨を壊す「骨吸収」と新しい骨に作り替える「骨形成」が繰り返されています。

さまざまな原因によって『骨吸収』と『骨形成』のバランスが崩れることで骨がもろくなり壊されていくのが骨粗鬆症の正体です。

原発性骨粗鬆症

このタイプが骨粗鬆症の大部分を占めています。
明らかな原因はないものの複数のファクターが絡まりあって発症します。

  • 中高年女性に多い「閉経後骨粗鬆症」
  • 思春期や青年期の若い人に起こる「若年性骨粗鬆症」
  • 男性に起こる「男性骨粗鬆症」

も含まれます。

続発性骨粗鬆症

内分泌系疾患など何らかの病気や疾患、薬の副作用によって骨粗鬆症を発症することがあります。これを続発性骨粗鬆症と呼びます。

《原因になり得る疾患・病気》

糖尿病、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症、性腺機能低下症、関節リウマチ、慢性腎臓病、肝臓病骨形成不全症、アルコール依存症、動脈硬化、慢性閉そく性肺疾患(COPD)などが骨粗鬆症の原因に挙げられます。

《原因となり得る薬剤》

代表的な薬剤としてはステロイドの長期服用です。また、関節リウマチで使用されるメトトレキサートや免疫抑制剤などがあります。これらの薬剤の長期使用は骨形成低下を引き起こし骨粗鬆症を引き起こす可能性があります。

骨粗鬆症の検査

問診、視診

自覚症状の有無、身体測定、既往症、飲まれている薬のほか、喫煙・飲酒・運動などの生活習慣、「ご家族に骨粗鬆症の方がいるか?」「ご両親のどちらかに足の付け根を骨折した方はいるか?」など詳しくお伺いします。

レントゲン検査

脊椎(胸椎・腰椎)のレントゲンを撮影して圧迫骨折を起こしていない、骨がスカスカの状態になっていないかなどを観察します。

骨密度測定

当院では日本骨粗鬆症学会で推奨されている検査方法である骨密度測定装置(DEXA)を導入しております。腰椎・大腿骨の2か所で測定し精度を高めています。4ヶ月に1回のDEXA法による大腿骨、腰椎等の検査をお勧めいたします。

血液検査、尿検査

骨も新陳代謝をしています。その骨の代謝物質である「骨代謝マーカー」を血液検査で調べます。骨粗鬆症の特徴である脆弱性骨折や骨密度低下が認められなかったとしても、この「骨代謝マーカー」で骨粗鬆症の疑いがあるか、または骨粗鬆症になり始めているかどうかなどを知ることができます。

骨粗鬆症の治療

骨粗鬆症治療の大きな目的は、骨折を予防して寝たきりを防ぎ、元気なままの生活の質(QOL)を維持することです。治療の基本となるのは、
食事療法」「運動療法」「薬物療法」です。

食事療法

骨の基本材料は『カルシウム』です。骨粗鬆症は骨を作る材料となる「カルシウム」とカルシウムの吸収を助ける「ビタミンD」が重要です。

年齢を重ねると活動量の低下や味覚の好みの変化が起こり、全体的に食事摂取量が低下したりタンパク質の摂取量が不足する傾向があります。バランスが崩れた食事は骨密度低下を助長することに繋がりますので、適度なバランスのとれた食事を心がけることが重要です。

特に骨形成を助ける代表的な栄養素は以下が挙げられます。

  • カルシウム
  • ビタミンD
  • たんぱく
  • ビタミンK
  • マグネシウム

カルシウムは食品として700〜800mg/日、ビタミンDは400〜800IU/日、ビタミンKは250〜300μg/日を摂取することが推奨されています。

また食材ではありませんが日光を浴びることもgbビタミンDを生成するうえで重要な行為です。1日に15分~20分程度、日光を浴びることで1日に必要なビタミンDが生成されるともいわれています。

積極的に摂取してほしい食材の一覧表はこちらです。

骨形成を助ける食材の一覧表
カルシウム 牛乳、チーズ、干しえび、しらす、ひじき、わかさぎ、いわしの丸干し、えんどう豆、小松菜、モロヘイヤ、豆腐、納豆、豆乳、小魚など
ビタミンD あんこうの肝、しらす干し、いわしの丸干し、卵黄、いくら、鮭、うなぎの蒲焼き、きくらげ、煮干し、干し椎茸など
たんぱく 肉類、魚類、卵、乳製品、大豆製品
ビタミンK 納豆、ブロッコリー、モロヘイヤ、ほうれん草、小松菜、海苔、わかめなど
マグネシウム ひじき、わかめ、あおさ、ナッツ類、玄米、大豆製品、ほうれん草、小松菜など

下記の食品は逆にカルシウムの吸収を妨げて骨密度を低下させる要因となるため、過剰な摂取はさけましょう。

  • リンが多く含まれる食品(スナック菓子・インスタント麺などの加工食品や一部の清涼飲料水など)
  • 食塩が多く含まれる食品
  • アルコール飲料
  • カフェインが多く含まれる飲料(コーヒー・紅茶など)

運動療法

骨は運動による負荷が生じることで強度が増してより丈夫になります。

さらに、運動を行うことで筋肉も鍛えられてふらつきが少なくなり転倒防止につながります。そのため運動療法は骨粗鬆症治療には欠かせません。

ウォーキングやジョギングなどの軽負荷の運動でも十分です。

他には太極拳や水泳、水中ウォーキング、エアロバイクなどもいい運動となります。

また、スポーツだけが運動ではありません。家事や日常生活の中でも工夫をすれば筋肉や骨に負荷がかかり骨を作る細胞の働きを活発にすることが可能です。

例えば、できるだけ階段を使う、買い物には歩いて行く、テレビを見ながら足上げをキープする、歩く時にいつもより5cm太ももを高く上げるなどでも軽い運動の代わりになります。

可能なら毎日、あるいは週に数回でも有効ですので、とにかく長く続けてください。運動量を少しでも増やそうとする心がけが大切です。

薬物療法

初期段階でも食事療法や運動療法に併せて薬物療法も開始したほうが効果が高いといわれています。

骨の吸収を抑える「骨吸収抑制剤」、骨の形成(新しい骨を作る)を助ける「骨形成促進剤」、骨の栄養素であるカルシウム、ビタミンD/Kの「骨の材料を補う薬による補充療法」などがあります。

患者さんのご年齢や活動レベル、生活の背景などを考慮しつつ、患者さんと相談しながら治療を選択していきます。

《骨吸収抑制剤》
  • SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)
  • ビスフォスフォネート製剤
  • 抗RANKLモノクローナル抗体
《骨形成促進剤》
  • 副甲状腺ホルモン製剤
  • 抗スクレロスチン抗体製剤
《骨の材料を補充する薬剤》
  • 活性型ビタミンD3製剤
  • カルシウム製剤
  • ビタミンK製剤

最後に

日本人の平均寿命は世界トップレベルですが、動けない身体でいくら寿命が伸びても仕方ありません。

いわゆる『健康寿命をいかに伸ばすか』が重要です。そのための1つとして骨粗鬆症治療があります。

現在、整形外科領域だけではなく、医学会全体で骨粗鬆症治療に注目が向けられており新しい骨粗鬆症薬も随時出てきています。

投与方法も内服、静脈注射、皮下注射、投与間隔においては毎日、週1回、月1回、半年に1回などさまざまな選択肢があります。

当院では症状がない時期からでも早めに骨密度の検査を行い、生活スタイルや今までのご病気、内服歴、ご年齢、家族構成などを考慮し、的確な治療をご提案いたします。いつでもお気軽にご来院、ご相談ください。